低収入生活をしていると、納める税金が少なくなるし、どちらかというと使う局面のほうが多いですから、とかく自尊心を保つのが難しく、自分を卑下しがちになります。「自分なんて生きてる価値ないんじゃないか」という気持ちになることって、よくありますよね。

でも私は低収入でも自尊心を保ち、明るく生きていくことは大事なことだと思います。私が東京で暮らした6年間で、それを可能にしたのは、国や親に頼らなかったということでした。

少ないながらも自分で稼いだお金でご飯を食べ、自分で稼いだお金で遊ぶ。

こんな単純なことですが、同じ7万円でひと月生活するのでも、人からもらった7万円ではなく、自分の手で稼いだ7万円だということが、確実に明るい低収入生活の支えになっていました。

経済的に自立して生きることで得られる自尊心は、お金では買えないありがたいものです。

なんでも自分で決められる自由と緊張感

私が子どものころに戻りたいと一瞬も思わない理由は、全部を自分で決める緊張感があるほうが好きだからです。親に食わせてもらってるうちは、働かなくてもいいかもしれないけど、その代わり親が認めるだけの自由しか与えられません。何を買うか、どこに住むか、誰と付き合うか、そういったことを親とはいえ他人に干渉されるのは窮屈だし、今のほうがよっぽど自由で楽しく生きています。

国や親に頼らないのが偉いとか当たり前とか、頭ごなしのことを言いたいわけではないし、絶対に頼ってはいけないということでもありません。

ただ、自立することで自分の生活を額面以上の価値あるものにできるなら、やらない手はないと思います。あの満足感やありがたみは、人からもらったお金で生きていたら味わえない。だから、あくまで自分のためにそうしてよかったなあ、という話です。いますぐ完璧にやらなくてもいいんです。いま置かれた環境で、自分でできることは何か考えること。それをひとつずつ増やしていくこと。低収入でも自尊心を失わず明るく生きていくために、このことを覚えておいて損はないと思います。

大原扁理(おおはら・へんり)
1985年、愛知県生まれ。高校卒業後、3年間の引きこもりと海外一人旅を経て上京。東京で隠居生活を送った後、現在は台湾で生活。著書に『20代で隠居 週休5日の快適生活』(K&Bパブリッシャーズ)、『年収90万円で東京ハッピーライフ』(太田出版)がある。ツイッター:@oharahenri