仕事、人生の流れで、自然に身につけている
私は他人の経歴に全く興味を持たないのだけれども、英語がうまいなと思って改めて調べてみて、初めて夏野さんがアメリカの経営大学院を修了されていることを知った。落合さんは国際学会などで場数を踏まれているのだろう。
野口さんの英語は、ジョークも交えた堂々としたものだった。再び国際宇宙ステーションへのミッションが予定されている野口さん。スペースX社や、ボーイング社など、民間の宇宙開発が盛んなところを捉えて、「我々が宇宙に行ったのはエコノミークラスでしたが、民間の参入でビジネスクラスの旅が実現することを祈っています」と言って、会場をわかせていた。
野口さんの場合、宇宙飛行士というお仕事の中で、どうしても英語は使う。さらに、ロシアのソユーズ宇宙船なども大切な要素なので、ロシア語も必須なのだという。
外国語を学ぶときに、その習得自体を目的にするのではなく、仕事をするうえでの自然な流れの中で、自分のものにする。そのような野口さんのお姿はとても素敵に見えた。
野口さんにしろ、夏野さん、落合さんにしろ、英語そのものを取り立てて言うのではなく、むしろ、仕事、人生の流れの中で、さりげなく、自然に身につけている。そのようなあり方が、これからの世界では主流になるのではないか。
英語を前にして構えるのではなく、ごく当たり前に人生を生きていて、その中でいつの間にか身についている。
そんな、自然体の英語習得の時代が来ていると思う。肝心なことは、自分の人生の中に英語を自然に位置づけることなのである。