最後は資産バリュー株と呼ばれるものです。土地や不動産などの含み資産をその会社が持つ純資産と合計して、純資産のみの場合とどの程度差があるのかを考えて、その差が大きければ買うのです。もし、その会社が一等地にビルを持っていたり、収益を多く生み出している賃貸不動産などを経営していれば、その差はかなり大きいかもしれません。

株式市場が好調なときの攻め方

この3つのパターンのうちのどの銘柄を重点的に攻めるのかは、そのときの情勢により異なります。その時々の経済動向を見極めて、どんな銘柄を攻めるのかを検討できるくらいの経済に対する観察眼を養うことが大事です。デフレだった民主党政権時代の2009年頃までは、現金を多く持つネットネット株が最も有利でした。

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しかし、今は政府がインフレに持っていこうとして大量に現金を刷っていることや、株式市場全体が高値なため、その会社が持っている有価証券の含み益も考えると、前述のうちの2つ目のような資産を有価証券で持っている会社の株が強い、とかぶ1000さんは見ています。

その会社が保有する有価証券や土地の有無は、有価証券報告書を確認したり、IRに聞くことで確かめることができます。IRはその企業のウェブサイトで情報を公開したり、電話で応対してもらえる企業も多いです。IRが誠実な企業は、それだけ株主のことを考えてくれる企業です。調査する感覚で、電話でIRに質問してみるのもいいでしょう。

「負けないこと」が第一

かぶ1000さんのモットーは「とにかく負けないこと」です。

「負けないようにするというのは、ただキャッシュポジションを高めればいいということではありません。『余剰資金』については、それらはすべて株につぎ込んでしまっていいと思っています。ただし、あくまで『余剰資金』であって、なくなると生活が立ち行かなくなるお金までも投資してはいけません。ポイントは、その余剰資金の比率をどこまであげられるかです」

現在のかぶ1000さんの株と現金の比率は、およそ8:2です。

「株のほうを高比率にしている理由は、株は待っていれば騰がる可能性が高いからです。たしかに情勢によって一時的に下がることはあっても、基本的に株はプラスサムなんです。その企業や経済自体の成長により、持ち続けていればいつかは騰がる日がきます。株に充てるお金を増やすためには、いかに株を多く持ち続けられるかが重要です」