※本稿は、投資術研究会編『カリスマ投資家たちの株式投資術』(KADOKAWA)を一部再編集したものです。
その「情報」が出てきた理由を考える
株を取引する上では、情報の扱い方がその明暗を分けることは間違いないでしょう。proselectorさんはどのような方法を用いているのでしょうか。
「第一にセクター(業種)ごとの情報整理、次に時系列を考える、これが大事です。今使っているトレーディングツールか、なければPCでもスマホでもノートでも構わないので、自分の気になった銘柄をそこにまとめておきます。
自分が注目しているセクターごとに銘柄リストを作成し、トレンド分析をするのですが、大切なのは資金の流入量を監視すること。もちろん、時価総額や事業内容の精査を行った上で、ある程度企業を絞ったら、決算書・有価証券報告書(有報)や説明会資料、『会社四季報』で業績推移、設備投資、中期計画等を細かく見ていきます。
ここで大事なのは、時系列を見失わないこと、そして、トレンド分析を基にしたスケジュール感を持つこと。このようにして得た情報は、その材料だけで判断すべきではありません。どういう理由でその情報(材料)が出てきたのか考えることも大事なのです。また、その事象により、今自分が投資している企業がどのような影響を受けるかを考察できる力が必要になってきます」
買う前には入念な調査を
基本的に、市況が悪くなったときに買いに行くことが多いというproselectorさん。市場全体の暴落や一時的な下落、上昇時の押し目こそがチャンスで、積極的に買い進めていくそうです。
「トレンド分析やファンダメンタルズ分析も併用して、買い入れる前には入念な調査を行っています。買いの状況で意識していることは、マジョリティーの反対を行くことを心がけること、マインドと投資行動は相反する、ということです」
中長期投資の場合、数カ月から数年保有することも考えられるので、市場が下落しているときに買い入れて高くなったら売り出す、いわゆる「逆張り」と呼ばれるスタイルをとる人が多いです。中長期投資は、今後の上昇が予測できるのであればすぐに売るものではないので、一時的な下落は大きなチャンスです。