proselectorさんも同様の作戦をとっていますが、「株式投資を始めた当初は行き当たりばったりで、とりあえず値動きを見ただけで買い入れたり、銘柄一つひとつの値動きを見て一喜一憂していました」と回想しています。経験を積んでいく中で、銘柄を個別に見るよりも業種ごとに区切り、俯瞰してみることでトレンド分析を行い、騰(あ)がりそうな企業やその材料を見つけることを思いついたそうです。

「そこで発見した見込みのある企業の詳細なファンダメンタルズ分析を行います。こうすることによりピンポイントで銘柄を発掘してトレンドに乗れるようになりました」

proselectorさんが今までで最も利益を得た取引は、電池メーカーでの20億円です。含み益時点では60億円ほどでしたが、売りのタイミングを逃してしまったのだそう。一瞬の決断力がモノをいうのが株式投資です。作戦立てはもちろんですが、相応の判断力も養わなくてはいけないでしょう。

ただ、損失を恐れたり、損失への対応を疎かにして利益を出すのは不可能です。株式投資に特有の判断能力を養うために、分析や判断力強化の練習をされると良いかもしれません。興味のある銘柄を選び、その企業の株価変動が材料の有無なのか、思惑なのか、業績への影響が考えられるのか、株価と企業の行く末を見守ってみましょう。何度か回数を重ねていくと、企業を見る目も養われるでしょう。

買う前にはよく確かめる

proselectorさんは過去に、値動きだけを見て大金を突っ込み、総計で4億円ほどを失ってしまったこともあるそうです。誰しも大きく上昇している値動きのみを見て魅力を感じ、引っかかってしまう可能性があります。特に材料や業績等実態のないものもありますから、根拠はしっかりとつかんでおきましょう。しっかりした情報の分析や上昇の要因を調査しておけば、突然の事故は仕方ないにしても、大きな損失を回避することは可能かもしれません。

株価は、売りと買いのバランスで成り立っています。時価総額が安く、発行株数が少ない銘柄も多数あります。そういった銘柄は、需要と供給のバランスが一方的になりやすく、仕手化と言われるような上昇を見せることもしばしば見受けられます。そういった際に、何も調べずに飛び乗ってしまうと、大きな損失を被ることになるかもしれません。何も考えずに株価の変動を見て投資することは避け、ご自身の調査や分析で納得がいく投資をしましょう。