「楽しい」という気持ちがなければ、サッカーはいいプレーができないし、成長もしません。人は「楽しい」ことをしているときに集中力が高まるといわれます。もし、サッカーを楽しくないと感じたら、サッカー選手としてはやっていけないでしょう。

撮影=佐藤亮

それはどんな物事でも同じことだと思います。同じ内容でも、イヤイヤやっている人と、楽しんでやっている人とでは、その成果に大きな差が生まれるはずです。

ウェイトトレーニングだって、楽しんだほうが効果は高くなります。基本的には地味でつらい作業なので、「しかたがない」という気持ちでこなしたら、ウェイトトレーニングの時間がどんどん嫌いになるし、効果が出るのも遅くなるでしょう。

しかし、ウェイトトレーニングも目的をもって取り組むと楽しいものです。たとえば、試合の中で敵の選手に当たり負けをすることが多く、「この部分の筋肉が弱い」と感じたら、体をぶつけられても簡単には倒れないように、特定の筋肉や体幹を鍛えたりします。その結果、当たり負けしない場面が増えて、効果が現れれば、ウェイトトレーニングも楽しくなるものです。

何事も楽しみを取り入れることが物事を続ける秘訣です。ダイエットでも「1キロ体重が減ったら好きなものをひとつだけ食べていい」とマイルールを設定すれば、楽しく続けられるかと思います。

いつでも、どんな状況でも楽しむためには、「やりたくないときにはやらない」というのも考え方のひとつです。もちろん、練習やトレーニングなどは、基本的にチームの決められたメニューをこなします。しかし、個人的なトレーニングをする場合は、体が重い、足が痛むなど、違和感があるときは、その日の体調に合わせます。最低限、これだけはやると決めて早めに切り上げるときもあれば、30分のメニューを10分で集中して行うときもあります。

自分の体のことは自分にしかわかりません。どのくらい頑張るかは、自分しか判断できないのです。予定していた練習を無理にこなすと、大きなケガにつながる恐れさえあります。