母親の最終学歴が高いほど、出生率は低くなる

アメリカの独立研究機関「East-West Center」(ハワイ)の人口健康研究部シニア研究員およびコーディネーターであるロバート・D・ラザフォードなどによる日本の1966年から2000年までの学歴と出生率に関する調査でも、母親の最終学歴が中卒、高卒、大卒と上がるにつれて、子供の数は少なくなっています。ここで再び冒頭の読者の仮説を検証すれば、「貧乏人の子沢山」ではなく、「低学歴の子沢山」ということになるのかもしれません。

▼富裕層世帯の「子供数」の推移

では、富裕層の世帯における「子供の数」を見てみましょう。

甲南大学の森剛志准教授らが、年収1億円以上の高額納税者に年収3000万円以上のやや高額納税者も加えて行った「日本の高額納税者 妻調査 2007」(有効回答数108通)。サンプル数(平均世帯年収は9000万円程)が少ないのですが、これによれば、富裕層と「一般人」(お金持ちではない)との平均出生子供数の差は年々、縮小してきています。

1930~39年生まれの女性の「お金持ち」と「一般人」の平均出生数の差は+0.73でしたが、1960~1969年生まれの女性の差は、+0.06になっていました。

【妻の出生年別にみた平均出生子供数】

【1930~39年生まれ】
お金持ち 2.92人
一般人 2.19人
差 +0.73

【1940~49年生まれ】
お金持ち 2.45人
一般人 2.16人
差 +0.29

【1950~59年生まれ】
お金持ち 2.52人
一般人 2.18人
差 +0.35

【1960~1969年生まれ】
お金持ち 2.00人
一般人 1.94人
差+0.06