これから日本には誰も経験したことがない「超高齢化」が訪れる。そのときどんな変化が起きるのか。これまでの歴史を振り返りながら、「衰退期」に向けた家計の備え方を解説する。第6回は「教育」。子育てにはカネがかかる。それは少子化の最大の原因であり、ときには家計不安を増やすリスクでもある。国に頼れない以上、やりくりで乗り切るしかなさそうだ――(全6回)。

「結婚させれば何とかなる」は大間違い

子育て世代にとって、「教育費の負担」は悩みの種だろう。図1をみると、少子化の要因のひとつは「教育費の負担」にあることがわかる。

国は、少子化対策として、「結婚支援」や「パパの休暇取得の促進」などに取り組んでいる。だが、最優先の対策は教育費の負担感を減らすことではないだろうか。少なくとも、この調査結果をみるだけで「結婚させれば何とかなる」というのは大間違いだとわかる。

図2は世帯年収に占める在学費用の負担率を調べたものだ。調査対象は国の教育ローンの利用世帯なので注意が必要だが、子供2人世帯では負担率が4割を占める。高校入学から大学卒業までの費用は1人当たり1000万円を超えている。

在学費用の負担は年々上昇しており、「子育てにはカネがかかる」という印象を強めている。これでは「子供をもうけたい」と考える人が増えるはずもない。