大学生の進路として、企業に就職する以外に、公務員への就職がある。一般的に「売り手」の採用環境になると公務員試験は志望者が減るといわれている。

公務員は割に合わない?「ゆとり」集めに役所が必死

2017年度採用試験において国家公務員一般職(大卒程度)の申込者数は3万5142人(前年度より856人減少)。就職活動が「氷河期」といわれた1995年度は、申込者数が8万211人だったことを考えると半減以下だ。大学の数が増え学生数が増加しているので、少子化の影響というよりは、単純に公務員を志望する学生数が減少しているといえる。

その背景には「今は企業に就職しやすい」ことがある。民間企業の内定がとりやすくなっている一方で、公務員は、責任のある仕事の割に給与が安く、長時間労働のイメージが定着している。

公務員の仕事内容が漠然としていて、“ゆとり世代”の就活生には「何となく大変そう」だと思われていることや、公務員試験の勉強をしてまで役人になりたいという動機が明確になっていないといった理由も考えられる。

そこで自治体などは「学生を待つ」だけではなく、仕事内容などを知ってもらうために、さまざまな取り組みを始めている。そのときのトレンドを踏まえたオリジナルのポスターを作成して採用情報をPRしたり、SNSで情報を発信したり。通常の就職斡旋サイトに採用情報を掲載したりする自治体も増えている。説明会や選考を企業と同様に開催し、全員と面接し、試験の点数だけではなく、人物重視の採用を実施している。