値下がりが続くなか拙速は慎むべし

坪単価に着目して、周囲の物件より割高でないか確認すべし
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坪単価に着目して、周囲の物件より割高でないか確認すべし

新築マンション価格はピーク時より大きく崩れ、2007年春から比べると、相場は1~2割下がっている。この段階で底とは言いがたい。とはいえ、買うべきかどうかという観点だと、そろそろ「慌てて買う必要はないが、気に入ったものがあれば買ってもいい時期」に入ってくるかもしれない。

08年のマンション販売戸数はおよそ5万戸。これに対し、潜在在庫は約2万戸あると考えられている。これは、年間販売戸数の4割というボリュームで、この状況が解消されない限り、マンション価格に下げ止まりは考えられない。むしろ、だらだらと値下がりが続いていくだろう。ただし、値下げを続ける状況が解消されるくらい在庫調整が進めば、09年は新築マンションの買い時にさしかかってくる可能性もある。

だから、いますぐに買え、と勧めはしない。せめて3カ月は待つべきだ。それは、09年の3月になればさらなる値引きが期待できるからである。1月には高嶺の花の物件でも、3月には値ごろ感が出ている可能性は高い。真剣に物件を吟味するなら3カ月はかかるもの。いまから行動を起こせば、いい頃合いに値引き物件に出合えるかもしれない。

3月に竣工在庫の価格が下がる背景には、デベロッパーの事情がある。マンションも野菜と同じで鮮度があり、竣工から時間が経過するほど、その価値は下がる。3月末に本決算を迎える企業も多く、在庫圧縮のための大幅なディスカウントにも目をつぶりがちになる。特に最後の一戸ともなれば、なおさらだ。

ただし、だれかれに対しても値引きを提示するわけではない。あくまでも「本気」で購入を考えている客に対してだけで、見込み客に本音の価格を開示するようなことはしないものだ。

まず、キャッシュが潤沢にあるなら、その旨を伝えること。値引きを引き出すきっかけになるかもしれない。居住エリアや広さ、将来の生活環境に適していて、資金計画にも無理がないなら、そういった本気度を伝えて交渉を進め、好条件を引き出せばいいのではないだろうか。