変革が相次ぐ現在のビジネスでは考え続けることが求められる。ビジネスに有効な考え方とは何か、問題解決のプロフェッショナルにその真髄を聞いた。

市場が縮小して、自社の既存商品が売り上げ不振に陥っているとする。このとき売り上げ減を食い止めようと、値下げして競合からシェアを奪おうとする企業が少なくないが、賢い戦略とは言えない。縮小しつつある市場で顧客の奪い合いをすれば、価格競争が始まったり、営業費が膨らみ、消耗戦へと突入していく。成長市場なら利益率低下を売り上げ増でカバーできるかもしれないが、全体のパイが小さくなる衰退市場では、それも望みづらい。

なぜ多くの企業が最善とは言えない戦略に飛びつくのか。それは市場縮小を運命と捉え、あきらめに似た心境に支配されているからだろう。自分では如何ともしがたい環境に放り込まれると、人は思考停止に陥ったり、やぶれかぶれの策に身を委ねる傾向がある。その結果、座して死を待つか、一か八かに賭けるかという極端な二者択一に陥り、追い立てられるようにして「他社の客を奪うためにはどうすればよいか」という論点(解くべき問題)を設定してしまう。