長島昭久・元防衛副大臣の離党、細野豪志・代表代行の辞任など、「自壊の始まりか」とささやかれている民進党。次期衆院選で「安倍1強」とどう戦うか、蓮舫・民進党代表を直撃した。

民進党は自壊の始まりか

【塩田潮】民進党は今年3月の定期党大会で「原発ゼロ」を打ち出しました。党代表として、民主党以来の方針である「2030年代ゼロ」を前倒しして「2030年ゼロ」を目指しながら、党内の反対派の抵抗で阻まれたという印象です。

蓮舫(民主党代表)

【蓮舫(民進党代表)】まず、明確にしたいのは、私自身は「30年ゼロ」と言っていません。一部報道が先走った部分がありましたが。最終的な選択肢は原発ゼロしかないと思っています。3・11のときに内閣にいた者の責務として、科学が自然を抑え込むことができるという神話を主張してきたことを猛省すべきです。幸い国民の勤勉さや、経済界の技術力の豊かさもあって、民主党政権で掲げた2030年を期限とする節電目標がすでに前倒しで実現をしています。更に何ができるか、エネルギー環境調査会に検討をお願いしました。基本的には調査会に全権委任していますから、途中経過に私は関知していません。

調査会での検討も踏まえて、原発ゼロ基本法案を総選挙までに作成する、次の総選挙の大きな公約にするということを党大会で承認を得ました。党内に様々な考えの人がいますが、これが組織決定です。「原発ゼロ」実現の期限を区切ることよりも、原発ゼロに持っていく道筋、再稼働へのハードルのあり方、最終処分場などバックエンドの問題に対して責任を持って道筋を示すことが大事だと思います。

【塩田】今年4月に元防衛副大臣の長島昭久氏が離党し、細野豪志代表代行も辞任しました。「民進党の自壊の始まりか」という声も噴出しました。長島氏の離党については。

【蓮舫】去るものは追いません。党として除籍処分にし、議員辞職勧告も決めました。それ以上、言及することは何ひとつありません。

【塩田】細野氏の代表代行の辞任については。

【蓮舫】憲法観について独自の考えを持っているのは、わかっていました。より自由な立場で発信したい、ということだったのだと思います。雑誌に憲法論を発表するということを電話でやり取りとしていて、憲法のあり方を含め、考え方の共有について相当、確認しました。

【塩田】こういう動きが出たことについて、党首としてどう受け止めていますか。

【蓮舫】特に長島氏については、「本当に申し訳ない」「残念です」の一言です。なぜまとまれないのか、私の不徳の致すところとして猛省するしかないです。2年前の安保法制法案のときも、昨年のカジノ法案でも、しっかりと議論して誰もこぼれませんでした。「右から左まで」と言われながら、これまでバラバラにならずに結束を守ってきたので、リーダーとして忸怩たる思いがあります。二度とこういうことが起きないように、国会対策や党内の組織のあり方も含め、議員の思いがしっかり私に届くように、幹事長部局や国会対策委員会など、どの段階でもきめ細かに交流を取っていこうとしています。