――海外進出も積極的に進めていますね。

台湾のオフィスを作ったときは、台湾が好きでいつか住みたいって言っていたスタッフがいました。その子が本当に会社を辞めて台湾に住むという話になったので、だったら、台湾にオフィスを作ろうというのがきっかけです。どこに住みたいというニーズはこれからも出てくるでしょうし、そのときに働ける場所や環境を用意できるような会社にしたいなって。少しずつノウハウをためながら、みんながしたい働き方を叶えてあげられる準備をしていきたいですね。

実際、台湾に移ったスタッフは向こうでも頑張ってくれています。現在7人のスタッフでやっていますが、あのとき「辞めていいよ」で終わっていたら会社としてももったいないことでした。結果的に会社のためにもなっている。きっかけをくれたことは、逆に私たちにとってチャンスだったのです。これからもしたいことが言いやすい環境だったり、したいことが実現できるお手伝いをしたいですね。

今は、フィリピンに住みたいっていう子がいて。フィリピンというのはちょっと考えてなかったのですが、彼女が行くタイミングでオフィスを作ろうかなと準備をしているところです。シンガポールにもオフィスを作る予定で、もともと社員だったスタッフが今シンガポールに住んでいるので、またお帰りなさいって帰ってきてもらって、やろうかなと。

新しい発想や活発な社内コミュニケーションが生まれるように畳の打ち合わせスペースや、クライアントの商品を手に取り確認できるコーナーも。オフィス全体がおもちゃ箱のようにカラフルで楽しい。

「おかえりなさい制度」で社員が戻ってくる

――さらにユニークな就業スタイルがあるようですね。

「おかえりなさい制度」は、家の都合や転職で一度、会社を離れた人が戻りやすくする制度で、もう何人も帰ってきています。

「メイト制度」は調査の仕事だったり、メールマガジンを書いたりするなどコンサルティングをする正社員のスタッフのアシスタント業務です。親の介護中の方もいますし、シニアの方もいます。午前中だけとか、午後だけとか、何時間だけとか働き方の希望を聞いてシフトを組みます。仕事は整理して、細かく分化することで、ここまでやったら次の人にバトンタッチできるようにしているので、担当分が終われば帰れるし、子どもの熱で急にというときでも代打がきくように、個人が仕事を抱え込まずに済む態勢を整えながら進めています。

――子育てのために「正社員からメイトになる」ということもできるのですか。

切り替えても全然問題ないですし、働きたいスタイルで働けるように対応しています。大きい制度の決まりがあってこれは例外、これは駄目といったことではなくて、基本的にいろんな働き方は自由に選べるほうがいいと思います。

在宅勤務もいますし、基本は在宅で週に何日かだけ出社する人もいますし、本社に通わずに自宅に近いサテライトオフィスで仕事をするというスタイルもあります。そこは本当に制限がなくて、一番働きやすい方法で仕事をしてもらっています。

働く場所や時間を限ってしまうと働きにくいじゃないですか。ですから社内をうろうろしていても大丈夫だし、いてもいなくても大丈夫。出張も多いので、いつでもどこにいても仕事ができるというのは、インターネットの力を使って私たちがやりたいポイントですしね。