都心部から巨大駐車場がなくなる?
都心部を運転するドライバーは、無料で止められる路上の駐車スペースを探して車を無駄に走らせることが頻繁にある。それはガソリンの無駄遣いだけでなく、違法な路上駐車とともに都心で渋滞を引き起こす大きな原因になっている。
一方、自動運転車は、空車になると少し離れた駐車スペースに向かい、そこで利用者から呼び出しがあるまで待機する。所有者の家が近ければ、家の駐車場に戻っているかもしれない。都心部で利用しても、都心部の駐車場、ましてや都心部の路上に駐車する必要はない。そのため、自動運転車の普及率が上がれば、都心部の駐車場が今ほどいらなくなり、駐車場以外の用途に有効利用できる余地が出てくるという。
<都心に駐車する必要がなくなれば、未使用のスペースがたくさん生まれ、都市の発展に利用できる。(中略)駐車場のスペースを公園や運動場、カフェなどに改装すれば、わびしい都心が魅力的になり、新たな仕事もたくさん増える。もう駐車スペースを探し回る必要もないため、渋滞も解消される。
都市がどれだけ美しくきれいになるか想像してほしい。路上駐車がなくなれば、これまでの道路が広々とした大通りに早変わりする。なかなか見つからない駐車場所を探してうろうろする車が少なくなれば、空気もきれいになる。>(『ドライバーレス革命』より)
いいことばかりのように思えるが、大きな変化が起きれば必ずマイナスの影響を被る人たちも出てくる。例えば、都心で駐車場ビジネスを運営している事業者や、駐車違反で罰金を徴収する警察・自治体は、収入が減ることになるだろう(ちなみに、日本の交通反則者の納金額は、年700億円超)。
いずれにしても、現代の都市は、駐車と密接に結びついている。だが今後数十年で、ドライバーレス・カーが普及すれば、駐車場は徐々にすたれていき、そのスペースが有効活用され、都市の姿が大きく変わっていく可能性がある。