東京医科歯科大学の小野卓史教授は、こんな話をしてくれた。

「子供の頃から矯正治療が必要かどうかの議論には、まだ決着がついていません。ただ、鼻で呼吸できず噛み合わせが悪いなどの機能的に問題がある場合には矯正治療が必要です。また、前歯の上の歯肉に犬歯が埋まっているような場合、そのままだと前歯の歯根が吸収されてしまう(歯根がなくなる、または細ってしまう)おそれがあり、早めに矯正治療をしないと取り返しがつきません」

(左から)矯正歯科の専門医 三村 博氏、インプラントの先駆者 小宮山彌太郎氏、東京医科歯科大学教授 小野卓史氏

最近、「スピード矯正」を謳い短期間で治療できると広告を出す歯科医もいるが、これには明確な根拠がないと小野教授は指摘する。

昨年の日本の医療費は41.5兆円、うち歯科は2.8兆円だった。20年間で医療費全体が約15兆円増加したのに対して、歯科は微増に止まる。その一方、歯科医師は毎年2000人ほど誕生しているので、限りあるパイを奪い合うゼロサム状態に陥っている。

そこに目をつけたのが経営コンサルタントだ。彼らは、経営改善の解決策として「矯正、インプラントを患者に勧めて、自費率を上げましょう」と歯科医たちに提案している。コンサルタントの指導でプロが作成するホームページは洗練されて隙がなく、SEO(検索エンジン最適化)対策も十分だ。ネットでは誰もが“名医”になれる。

でも、その歯科医が誠実に患者と向き合っているか、見極める方法がある。SNSのチェックだ。HPで理想を語っていても、SNSでフェラーリや豪華な自宅を自慢している歯科医は、選ばないほうが賢明だと思う。

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(撮影=岩澤倫彦)