米テスラとは心中する覚悟か!?

「赤字となっても頑張る覚悟でやろうとしている」

パナソニックの津賀一宏社長は10月31日に発表した2016年度第2四半期連結決算の会見で、車載用を含む電池事業についてこう語った。その電池事業は今期の営業損益の見通しを黒字予想から一転赤字に変更した。

津賀一宏・パナソニック社長(右)

「電気自動車(EV)関連の先行投資が米テスラ社と共同運営する工場などで大きくかさんでいる。営業赤字の見通しだが、ほとんどがEV関連の投資の影響と理解してほしい」と津賀社長は説明し、EVに関しては、テスラだけでなく他の自動車メーカーからも熱い視線を送られているという。

車載用電池については、テスラと共同で進めている米国工場の他に、中国・大連でも工場を建設する。投資額は両工場合わせて数千億円に上る見通しで、パナソニックは約4000億円の社債を発行し、その多くを充てる方針だ。

テスラとは太陽光パネルについても協業していく方向で、まさしくテスラと心中してもいいといった覚悟のようだ。もっとも、太陽パネルについては、これまで散々投資してきたので、今後大きな投資をする計画はないという。既存の施設の活用とノウハウや技術提供などで協力していく考えだ。現在、大阪府貝塚市の太陽光パネル工場は休止しており、「テスラとの協業がうまくいけば、再開に弾みがつく」と津賀社長は喜んでいる。

それにしても、パナソニックはなぜここまで車載用電池に執念を持っているのか。そこには、同社が置かれた厳しい環境があると言っていいだろう。