ネットの炎上も同じ構図があります。あの自信満々な態度がムカつく。それに比べて自分は……。そんな理由で有名人を炎上させてしまう。社会的な地位が高い人を引きずりおろしたいという心理が働くのです。

しかし、正論を言っても炎上しない、むしろその人の正論を聞いてスカッとしたいと思わせる人気者もいます。それが、マツコ・デラックスさんや、有吉弘行さん、坂上忍さんです。どう見ても彼らは優れた人たちなのですが、マツコさん自身が、「私みたいなデブのオカマを世間様が面白がっている」というように、どこか横道にそれたキャリアを歩んでいると自他ともに認めています。

そんな正統派でない人たちを見ると、視聴者はどこか「自分のほうがマシ」と許せてしまうのです。そうして、その人たちの正論に快哉を叫ぶ。職場でも、本流から外れた人がこぼす正論のほうが受け入れられやすいものです。嫌われない人とは、「相手のコンプレックスを刺激しない人」なのだといえるでしょう。

(構成=伊藤達也)
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