【白河】日本人は無償の頑張りが尊いというところがありますね。

【大西】その素晴らしいサービスをさらに追求していって、直接成果をあげていく方向にいくのが正しいと思うんです。

例えば、当社は初売りが遅いのでセールも遅くしました。お客さまはどこの百貨店がいつセールをしているのか混乱されますので、フランスみたいにセールはいつからいつまでかを国が決めても良いと思います。

【白河】国が! そういえば昔、セール開始にあわせてフランスに行ったことがあります。観光客も一斉に来ますね。徹底していますよね。その日から店頭にあるものが一斉に5割になる。わかっていないとお客としては泣くこともありますが。フランスに行ったとき、夕方に着いて、セールの時期でラッキーと思ったんです。でも、明日買い物しようと思っていたら、翌日は日曜日。頑として店は開かない。

【大西】それぐらいハッキリ休みや限られた期間のセールというふうにしたほうが……。というのは、いまの状態ですと、お客さまがいつ買えば良いのか、迷ってしまわれるので。

【白河】売る方もその時期に注力して、ダラダラせずにすむ。確かに生産性が上がりそうです。

【大西】政府が検討しているプレミアムフライデーが旗振り役になってほしいですね。

【白河】お話を聞いていると、売る側も買う側も「成熟した楽しみのある国になろう」とおっしゃっているような気がします。生活を楽しむ時間がなければ、どんなに素敵なインテリアを買っても、寝に帰るだけの家になってしまう。素敵な服を着たら、どこか出掛けたくなりますし。

【大西】そのためのお洋服ですからね。

【白河】よい食材を買ったら、家で丁寧に料理したくなりますし。

【大西】そういうことですよね。

【白河】全体に豊かな生活をする。長時間働けばいい時代ではないということですね。