米国では100億以上を売り上げる人も!
――ユーチューバーとはどんな人たちでしょうか。
【鎌田】ユーチューバーのルーツについては諸説ありますが、私が最初にユーチューバーの存在を知ったのは2013年に日本における先駆者であるHIKAKINと会った際、「ユーチューブスター」と呼ばれる人たちがアメリカにいると聞いたときです。「ユーチューバー」は日本で使われている言葉で、海外ではユーチューブスター、あるいはユーチューブクリエイターという表現が使われています。
13年当時、すでにアメリカではユーチューブスターにスポンサーがついたりインフルエンサーマーケティングが行われたり、ユーチューブスターを束ねてマーケティング活動をしたりする動きが広がっていました。こうした動きがユーチューバーのルーツだと私は考えています。
アメリカではやがて、企業と仕事をする人や自分で商品を出す人、会社を立ち上げる人が出てきました。ミシェル・ファンという女性は化粧品が毎月送られてくるサブスクリプション・サービスを立ち上げて3年で1億2000万ドル(約120億円)の売上を達成しています。最近は映像制作を行ったり、映画監督になったり、自分たちでプロダクションを立ち上げるユーチューブスターも出てきています。ユーチューブスターが自分で事業を始めたり、個人としてより高みに行ったりする現象が起こったのです。
――日本でブレイクしたのはいつ頃ですか。
【鎌田】これも私の主観でお話しますが、13年に私がUUUMを立ち上げて「日本初のユーチューバープロダクション」というプレスリリースを出したところ日経新聞に取り上げられ、年末にはHIKAKINがアンファーのテレビCMに起用されたので、その辺からコツコツきている感覚がありました。そして翌14年にUUUMはエイベックス・エンタテイメントと提携し、5月にはHIKAKINが『SMAP×SMAP』に出演しました。この時期になると「やたらユーチューバーって言葉を耳にするぞ」という状況になっていたので、私のなかではユーチューバーが日本でブレイクしたのは14年だと思っています。
13年の段階では企業がユーチューバーにお金を払って物事をお願いすることを視聴者が受け入れなかった部分がありました。何もわかっていない人が「ステマ」と騒いだり、企業と仕事をするユーチューバーを「お金の亡者」と批判したり、みたいな。しかし私たちが会社をつくり、個人でもできるユーチューバーがプロダクションに所属しマネジメントを受ける意味を何百回も説明し、それを認めてもらってブレイクしたのが14年です。