世にまかり通る保険の常識の数々。しかし、それを信じると思わぬ落とし穴に入り込むことに……。そんな実は「非常識」なことを保険のプロたちがつまびらかにする。
かんぽ生命
郵政民営化後も“親方日の丸”のイメージが強いかんぽ生命保険。保険料については、「もともと国営なのだから、民間保険会社よりも安い」と思われがちだが、実際はどうなのか?
「それは単なる思い込みにすぎません。かんぽ生命は意外に維持管理の経費がかかっているし、民営化後は利潤追求のために保険料を上げざるをえなかったんでしょう」と説明するのは、保険業界にくわしいコンサルタントのAさんである。
実際に掛け捨ての定期保険について、かんぽ生命と、ネット生保のチューリッヒ生命の保険料を比べてみたグラフが下にある。ともに喫煙者も入れる標準タイプで、30歳で加入、保険期間10年間、保険金額1000万円とすると、かんぽ生命の月額保険料は3000円、チューリッヒ生命は1500円で2倍もの差がある。
「かんぽ生命は経営基盤がしっかりしていて安心感はありますが、これだけ大きな保険料の差は無視できません。掛け捨て型は保障内容が同じであれば、基本的には保険料の安さで選んだほうがいいでしょう」とAさんは指摘する。