「休眠状態の毛根から毛を生やすためのカギは、大きく2つ。一つめは、先ほどお伝えしたミトコンドリアの活性化です。毛乳頭細胞はヘアサイクルの司令塔的存在なのですが、M-1を塗布すると、『発毛エネルギー』が40%増加しました。

もう一つは、『繊毛』という『発毛シグナル』を送受信する器官の伸長です。これも、培養細胞では私たちが世界で初めて可視化に成功し、解明した事実ですが、繊毛の伸びは毛の伸びと直結します。M-1を添加した繊毛は1.6倍に伸び、同時に、繊毛から発信されるシグナルも300%に増加しました」(加世田氏)

何やらものすごい数字が目白押しだが、つまりは発毛に関するエネルギーもシグナルも強くなり、活動が活発になるということだ。これだけアプローチされれば、眠っている毛根も叩き起こされることだろう。

また、過剰な抜け毛を減らすことも薄毛対策の一つである。必要以上に毛が抜ければ、休止期の毛根が増え、やはり髪が薄くなるからだ。M-1は、この点でも優秀だという。

「悪玉ホルモンによって生成される『TGF-β』等の脱毛に関わるシグナルを最高70%減少させます。つまり、抜け毛の原因もできる限り取り除くことができるのです」(加世田氏)

とはいえ、すべての薄毛の悩みにこたえるものではないようだ。加世田氏は次のように付け加える。

「そもそも髪の毛の本数(毛根の数)は生まれた時点で決まっており、およそ10万本。そのため、生まれつき髪の量が少ない人は難しいかもしれません。薄毛を放置したり、不適切な処置で毛根が死んでしまった人も同様です。しかし、ヘアサイクルの乱れが原因で新しい毛が生えてこない『男性型脱毛症(AGA)』や『女性型脱毛症』なら、期待してください」

その自信の源は、上の写真だ。これは、ある男性が一定期間M-1を塗布した結果。見ると、明らかに髪がふさふさになっている。「ヘアサイクル」によって結果が出るまでの期間には個人差があるというが、これは期待できそうだ。M-1は果たして薄毛に悩む人々の光明となるのか。

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