確かに単身世帯の男女を比べてみると、女性は収入が少ないにもかかわらず、貯蓄年収比が高いだけでなく、貯蓄額も多くなっている(表4参照)。
「投資にも男女で異なる傾向が表れます。はじめに申し上げましたが、女性の購入割合が高い毎月分配型投信は、長い目で見ると必ずしも有利とは言えませんが、毎月、定期的に分配金を受け取ることに女性は魅力を感じるのです。
同じように、株を買うというときも、株主優待つきのものや安定した株を選ぶ『リスク回避』、ないしは『実利重視』の考え方をします。
それに対して、イチかバチか、夢を追ってここは勝負、という発想は男性的と言えます。『多少のリスクは覚悟のうえ。チマチマしたのはプライドが許さない、男なら大胆に』と考えたがるのです」(表5、6参照)。
さらに伊東さんは「男性にとって数字は『大きい(高い)ほうが勝ち』とする傾向が強い。例えば、デジカメを買う際なども、まずスペックを比較して、画素数が多いなど高性能であれば価格すら度外視してしまう。むしろ、『値段が高くてハイスペックのモノ(を買ったオレ)が勝ち!』というところがあります」と続ける。
確かにクルマ、時計、ヘビーデューティーなウエア……。思い当たる節はあるのではないだろうか。ホームセンターなどで、いつ使うかわからない高額な工具をつい買ってしまう男性の気持ちは、女性には理解できないのだろう。
「逆に女性は、いくら高額なブランド物でも、値段=勝ち負けとは考えません。重視するのはコストパフォーマンス、カワイさ、使い心地、素敵さです。