ざっくり言ってしまえば「ロジカルに話をすると、理屈っぽい女と言われる」といった日本社会に内在するバイアスこそが、数字が好きな「理系女子」が少ない理由のようだ(表2、3参照)。
ところが、数字は数字でも「値段」となると様相は一変する。1円でも安い商品をチラシで見つけて、家から遠く離れたスーパーに出かける。ポイントカードを何枚も所有している。ワリカンは1円単位までなど、いずれも女性に多くあてはまる話。というわけで、男からすると、女は目先の数字(お金)にこだわっているように映る。
それは主戦場の違いだ、と伊東さんは指摘する。
「男性の主戦場が『職場』だとすると、ごく最近までわが国の女性の主戦場は『家庭』だったのです。つまり、家庭を守る能力として、家計=数字は必要不可欠。やりくり上手な賢い奥さんは褒め言葉でしょう。また、女性は男性よりお金がかかります。ファッションに、化粧品。さらに賃金が男性より少ないとすれば、値段にシビアにならざるをえません」