国と新法人のダブルチェック・ガバナンス監視
15年12月上旬に開かれた自民党の会合で、エネルギー政策に精通した重鎮代議士が、次のようなコメントを発した。
「公的なものが関与した法人というものについて、原研や動燃などを経験している者として言えることであるが、最初は皆、覚悟を持って対応するが、その後は、現場と遊離し、役に立たない施設になっていることが多い。現場をきちんと理解している人で、なおかつ、研究者や現場の方々に対して、きちんと目配りができる体制を作っておくことが大事。そのことができなければ“絵に描いた餅”になりかねない」
これはとても含蓄のある言葉であり、最も耳を傾けるべき趣旨だ。
国が細部にわたって箸の上げ下ろしまで関与した結果、主体性を失ったのは、高速増殖炉「もんじゅ」の運営主体である日本原子力研究開発機構(JAEA)である。JAEAは、原子力規制委から、「もんじゅ」を安全に運転する資質を有していないとまで言われたJAEAは国立研究開発法人で、独立行政法人の一類型。
こうした独法の悪しき前例を「反面教師」として直視し、新法人とその第三者委員会の構成には、特段の高配が不可欠だ。
なお、新法人の下にJAEAを置き、国と新法人によるダブルチェック・ガバナンス監視という手法は、“もんじゅ問題“の解決策として最有力であると私は考えている。