再雇用したくない人はプライドが高く、勤務態度が悪い人だ。大手食品会社の人事課長はこんな事例を挙げる。

「途中席を立ってタバコを吸いに出かけたまま帰ってこない人、あるいは周りに行き先を告げないで席を立ってしまう人がいますが、上司としては部下の手前、示しがつきません。もっとひどいのは仕事のじゃまをする人。終業前の4時を過ぎると、バサバサ大きな音を立てて新聞を捲って読み始めるのです。なぜ、そんなことをやるかというと誰かが飲みに誘うのを待っているわけです。うるさくてしょうがないから、誰かが別の社員に『今日はおまえがつきあえ』と目配せして、結局、誰かが犠牲になってしまうことになる」

プライドが高い人ほど職場に疎まれて辞めざるをえなくなることが多い。

「年収が半分になり、決裁権限もなくなる。女性の一般職と同じような仕事をやらされ、なんで俺がこんな仕事をしなきゃいけないんだと愚痴を漏らす人がいます。割り切れない気持ちもわからないではないが、その結果、いいかげんな仕事しかしなくなり、自分で自分の価値を下げてしまう人がいます。周りの目も厳しくなり、最後はいづらくなって辞めてしまう人も」(宮竹氏)

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図表3:希望者全員を65歳以上まで雇用する企業は3割に満たない!

40代が定年後もすんなりと再雇用される保証はない。工作機械メーカーの人事部長はこう指摘する。

「課長の平均年齢は44歳ですが、同期で課長になれるのは半分もいません。社員の人口構成も48歳から50歳の層が最も多く、いずれ定年を迎えるとして、全員を再雇用するとしたら人件費が膨らむのは間違いありません。今、考えているのは40代半ばから50代半ばまでの層を対象にした退職加算金つきの転身支援プラン。これでできるだけ定年到達者を減らし、必要な人だけを再雇用する形にしていきたい」

同社に限らず40代後半の社員に向けたセカンドライフ支援セミナーの開催や割り増し退職金つきの転身制度を設けている企業は多い。バブル入社組の人件費圧力は企業に重くのしかかっており、給与制度の改革に踏み切る企業も出てくるだろう。

国の強制で65歳まで会社が面倒をみてくれると思っているとしたら甘い。40代の今からこれまで培った自分の専門性や経験を一度棚卸しして、今の会社で何ができるのか、自分の役割を知ることが重要だ。