ITを主体的に使いこなすのが苦手
インターネット黎明期における日本人の対応は、はっきり2つに分かれていた。一方には新しい技術に飛びつき、それを無条件に謳歌するデジタル崇拝派の人びとがいて、他方には、ITをはなから嫌い、それを無条件に退け、あるいは大きく反発するアナログ派がいた。「デジタル人間」、「アナログ人間」という言い方が盛んだったころもある。前者は若者、後者は高齢者という世代的な濃淡も見られたが、両者に共通しているのが、ITという技術を道具として使いこなす主体的態度の欠如だった。

2000年代初頭、都内の大学在籍中に春秋の2回、インターネットをめぐるシンポジウムを開催していたが、そこで韓国と日本のIT利用の格差が話題になったことがある。その時参加者の1人が「インターネットが普及するころ、韓国の経営陣は若かったから、それを積極的にビジネスに活用したが、日本はそれにくらべて高齢で、インターネットを若者の遊び道具程度にしか認識せず、それが日本企業のインターネット利用を著しく遅らせたのではないか」と発言した。
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