ブームの統計学をかじってみたが、仕事での使い方がわからない──。そんな悩み、ありませんか? 例題を解きながら、その活用法を解説します。
標準偏差とヒストグラム
部長も太鼓判! 失敗リスクのビジュアル化で評価アップ
あなたは得意先の小売りチェーンの担当者を訪問しました。「我々は新規出店を予定しています。出店エリアとして地域Aを検討しているところです」「そうでしたか。それでご相談されたいこととはどんなことでしょう?」。
「御社には売れ筋商品を供給していただいているだけに、弊社にとって在庫切れは致命的なのです。だから『配達遅延のリスク』をあらかじめ把握しておきたい。でも実際どのくらい配達にバラつきがあるのか、それをどうやったら求められるのかよくわからないのです。お恥ずかしいのですが、調べてみたところ、なんでも、データのバラつきなら『標準偏差』を求めればわかると」。さらに続けます。
「先日、御社からご提供いただいた先月の配達状況のデータを使って、その『標準偏差』とやらを求めてみたのですA(図参照)。でも、結局それを見てもどう評価すればよいかなんてわからず、そこから先に進めないのですB(図参照)。上司へも説明ができず……」。
そう言うなり、彼はドサッと資料をテーブルに置きました。「そこで、あなたのお力を借りたいのです。『配達遅延のリスク』を分析して、提案資料を作っていただけないでしょうか」
──この課題をあなたならどう解決しますか?