憲法改正は政局にしてはいけない理由

【塩田】来年の参院選の後、もし発議要件を満たして改憲案の発議ができた場合、憲法改正の国民投票を次の総選挙と一緒にやる方法もあります。衆議院議員の任期満了は2018年12月なので、国民投票と総選挙は同時になると想定する人もいます。

【船田】今のところ想定していません。別々にやると費用が無駄ではないかという意見もありますが、民主主義は手間を省いてはいけないというのがわれわれの考え方です。最初からダブル選挙を目指して国民投票を考えるのは、ちょっと違う。それぞれ国民の判断を仰ぐのが正しい道だと思います。

【塩田】憲法改正には、参議院で3分の2超( 162議席)を確保できるかという「参議院の壁」と、国民投票で過半数を得られるかという「民意の壁」が立ちはだかります。まず来年の参院選で一発で壁を越えられるかどうか。自民党だけでは40も不足していますが。

【船田】参議院は数が足りませんね。来年の参院選で、自民党だけで届かないし、憲法改正に賛成する人たちで3分の2を超えるかどうかも、まだわかりません。非常に厳しいと思います。ですが、とにかく3分の2を超えることを目指していく。参院選の結果、どうするかは、そのときになってみないとわかりません。参院選前は、現有勢力の下で賛成が3分の2を超えるという前提で議論していきます。

【塩田】現状では自民党と維新の党と次世代の党が憲法改正に前向きで、公明党は「加憲」と言っています。民主党は改憲派と護憲派が混在しています。実際に憲法改正となると、各党は党議拘束かける可能性があります。

【船田】ありますね。

【塩田】民主党の岡田克也代表は「安倍政権の下では憲法改正には賛成しない」と言っていますが、憲法改正問題が軸となって、現在の与野党の枠組みを越えて、改憲勢力と非改憲勢力に政界が再編されていくというシナリオも視野に入れていますか。

【船田】政界再編や野党の再編、あるいは与野党が境界を越えて動くことになれば、これは政局になります。政局が前面に出たときは、憲法改正の議論は多分できなくなる。波静かで政策を議論できる状況でなければ、憲法改正は難しいのではないかと私は思います。

ですから、政党の中に手を突っ込んでやるのは、いっさい避けるべきです。現在の各政党の勢力図の中で、できるだけ憲法改正に賛成する政党を増やしていく。民主党でも、テーマによっては憲法改正はいいよというところまで来ています。岡田さんが安倍政権では駄目とか言っていますが、それこそ政局を狙った発言で、邪道です。憲法改正は誰が首相であろうと、国会のみんなで決めて改正という方向に行けば、国民投票に行くべきものです。岡田さんの考え方はおかしいと思っています。