私が提唱したいのは、多様なインデックスファンドを用いた国際分散投資だ。年金基金などを運用するプロの機関投資家は、値動きの異なる国内外の複数の金融商品を組み合わせ、リスクを分散しつつ着実なリターンを目指す運用を行っている。こうした投資には通常巨額の資金が必要だが、複数のインデックスファンドでポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を組めば、個人投資家でも少額の資金で、同じ手法を実践できる。

では、何をどう組み合わせるか。一つの目安として、私が主宰するインデックス投資協会のサイト「わたしのインデックス」では、過去の投資先の値動きをもとにポートフォリオの利回りを試算できる。それを用いて、20年前の1994年に予算100万円で投資を始めたと仮定し、さまざまな仮想ポートフォリオの運用成績を見てみよう。(※)

まず、日本株と日本の債券のインデックスファンドに50万円ずつ投資した場合、運用後の資産は147万円に。日本と欧米先進国それぞれの株と債券、計4つのインデックスファンドに25万円ずつ投資した場合は、279万円となった。

さらに、日本、欧米先進国、新興国それぞれの株と債権、日本と先進国のREIT、そしてコモディディの総合指数に連動する各インデックスファンド、残しておく現金の計10項目に10万円ずつ投資した場合、20年運用後の資産は358万円に達し、258万円のリターンがあった。

リスクを抑えつつ、リターンを最大に――。インデックスファンドを活用した国際分散投資は、個人投資家の強い味方になるはずだ。

※仮想ポートフォリオで使用しているデータは、各資産を代表する指数を使用。売買コストや運用コストは含まない。配当は再投資されたものとして計算。外貨資産はすべて円換算。毎月1回リバランス。

(構成=川口昌人)
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