最初に辞めるはずが……
実は新入社員の頃、同期の人たちから「一番最初に辞める人」と言われていました(笑)。この会社を選んだ理由も、外資系のほうが内定を出すのが早くて、「せっかく内定をもらったんだから入社しよう。就職活動が終われば、夏休みも楽しめるし」という軽い気持ちだったのも確かです。だから、最初に辞めそうに見えたのでしょうが、逆にほかの人たちが会社を辞めて留学したり、ネットバブルの時代に「一旗揚げる」と言って辞めていったりしたのです。
ネットバブルの頃は、私も他社からいくつかお誘いを受けましたが、ちょうどマネジャーに昇進する前後で、アクセンチュアでの仕事の面白さがだんだんわかってきた時期でした。他社から受けた誘いのなかには、職位が上がり、報酬も上がるというので「ちょっと素敵!」と気持ちが揺れたものはあります。しかしこれまでお付き合いしてきたお客様のことを考えると、転職する気になれませんでした。
マネジャーに昇進したての頃、ある証券会社の合併統合でプロジェクトマネジャーを務めました。私以外はみんな男性の6人チームで、私より1~2歳若い男性と、4~5歳下の若手の男性が4人いました。お客様も総じて男性です。しかしわりとオープンに接してくださり、責任のある仕事を任せてくれました。また、あるお客様は「もし君が女性だからという理由でうちの社員が失礼なことをしたら僕に言ってきなさい」とありがたい配慮の言葉をかけてくれました。
同期の女性たちは、ほぼ同じタイミングでマネジャーに昇進しました。ただ、プロジェクトの規模や業界によっては、すぐプロジェクト・リーダーになれなくて、アシスタント的な役割になってしまう女性もいました。私とは状況が異なるから、当時は仕方ないと思って見ていましたが、彼女たちが「やらせてほしい」と主張したことに、応える上司がいなかったんじゃないかと今は思います。