メンタルが弱い人へのフィードバックはどのような点に気を付けるべきなのか。コミュニケーションの専門家の戸田久実さんは「長々と言うより率直に言ったほうが相手も受け取りやすい。声のトーンに注意できればなおよい。またほめるときは具体的に伝えることを心がけつつ、相手の反応を見ながら言葉を選んでいくとよい」という――。

※本稿は、戸田久実『すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる~』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

メンタルが弱い人へのフィードバック

メンタルが弱い人に対して、フィードバックをしなければいけないときは、必要以上に気を遣った言い方はしないことがポイントです。

直してほしいところがある場合、率直に言われたほうが気にならないものです。

【NG例】
「Hさんは、いつもがんばってくれて、こんなことも助かっているよ。でも、こういうところも気をつけたほうがよくて…別に責めているわけではないけれど…できればお願いできるかな」
【OK例】
「今後、こういうふうに直してもらえるかな」

いかがでしょうか?

長々と言うと、伝えたいことが伝わらず、受け手にとってストレスになることもあるのです。

メンタルの弱い人に限らず、フィードバックをするときは、声のトーンも重要です。必要以上に大きい声で言ったり、怒鳴ったり、強い語調になったりしないよう意識してください。

ビジネスマンは指を突き出す
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

質問タイムをつくっておく

メンタルが弱い人の場合、質問をすることにも気を遣ってひとりで抱え込みやすいクセがあるので、日頃から声がけしておくことも重要です。

【OK例】
「Iさん、今回こういうことがあったけれど、今後はこうしようか。もし、困ったことやわからないことがあったら、遠慮なく聞いてね。相談に乗るよ」
「どうかな、これできそう?」

このように伝えていても、新入社員のなかには、「何か困ったことがあったらと言われても…」と躊躇する人もいます。

そういったタイプの人には、時間を指定して提案しておくのもおすすめです。

【OK例】
「困ったらサポートするよ。ここが困っている、ここはできないということがあったら言ってね。この時間だったら、相談に乗れるから」
「いつも朝一番や午前中のこの時間だったら、話を聞けるから言ってね」

メンタルが弱い人に対しては、相手が相談しやすい環境を日頃からつくっておきましょう。