杉並区長 山田 宏(やまだ・ひろし)
1958年、東京都生まれ。81年京都大学法学部卒業後、松下政経塾入塾。85年都議選で最年少当選。99年杉並区長に当選。2003年に同区長再選、07年3選を果たした。


 

山田宏が新党結成を表明した。「民主党には国家ビジョンがない」と失望し、自ら国政復帰を目指す。かつては民主党の実力者・小沢一郎とともに政治改革に邁進した一人である。1993年、日本新党から衆議院議員に初当選。新党ブームの寵児としてメディアを賑わすが96年に落選。99年に杉並区長への転身を果たすまで厳しい現実に直面する。落選で人もカネも離れた。苦しくて先物取引にまで手を出して失敗。支払いの督促が来ると秘書は居留守を使ってしのいだというが、本人はカネがなくても志を貫けば仲間が集まることを知る。

松下政経塾の2期生で、27歳のときに最年少で東京都議に当選した。政界への登竜門といわれる松下政経塾のシンボル的存在だが、もともと政治家志望ではない。国を支える「ひとかどの人物」を育成するための学校創設が夢だった。その夢を経営の神様・松下幸之助に先取りされ、同じ夢をもつ松下のもとで学びたいという思いで門をたたいた。落選で「人づくり、国づくり」の原点に戻ることができたと言う。

新党結成へ動き出したのは去年10月。準備会となる「日本志民会議」の設立総会で、集まった1500人を前に「日本人は劣化している」と切り捨てた。財政再建、税金のばら撒きに頼らない自立心や愛国心の重要性を訴えた。

「リーダーが正しいと思うことを語れば、必ず国民は理解する」と信じて疑わない。奇をてらうメディア戦略を嫌い、根回しもしない。野太い声で国の将来を語る姿は、幕末志士のイメージにも重なる。が、その青臭さは古臭さにもつながる。自民党を離党した老議員たちが立ち上げた「たちあがれ日本」の中年バージョンと揶揄する声も上がる。移り気な国民を相手に、どこまで信念の政治を貫けるか。