強いストレスや逆境下においてもそれを克服、むしろ強化したり適応したりする精神力――レジリエンスがいま注目されている。
うつ病が若年化する教育現場において予防としてレジリエンスの研究が盛んになったという経緯があるが、現在海外では米国陸軍をはじめ大規模な組織・企業でも導入が進んでいる。「メンタルヘルス研修の次にあたるプログラムとして、ストレスがあっても実力を発揮できる人材を育てるトレーニングとして活用されている」とポジティブサイコロジースクール代表の久世浩司氏は話す。
レジリエンスそのものは誰にもあるが、活かせる人は限られる。「自尊心・自己効力感・楽観性が高く、感情のコントロールができ、ソーシャルサポート(心の支え)を有する」(久世氏)必要があるようだ。
レジリエンスを高めるためには、図の6つのコア・コンピテンシーを理解・獲得するトレーニングが有効だ。日本ポジティブ心理学協会代表理事の宇野カオリ氏は「重要なのは、いずれのコンピテンシーも、自分自身の個人的・社会的資本を形成する『リソース・ビルダー』として機能すること。リソースが形成されると、そこに『ポジティブスパイラル』が実現する」と語る。この“ポジティブスパイラル”が肝要だ。
(ライヴ・アート=図版作成)