――東洋医学は試されましたか。

東洋医学系のある治療師には「これはカビだからお酢のなかに入れておけば治る」と言われて驚きました。まさかこんな致命的といわれる病気がお酢につけてなおるなんてそんなはずがないと思ってネットで調べたところ、実際に「がん真菌説」というのもあるんですよ。

ドクター・シモンチーニと言う人が一番有名なんですが、この人の医師免許は剥奪されていて、彼が書いた本もいまはほとんど出回っていません。僕はなんとか彼の連絡を突き止め、メールを出しました。そうしたら「爪の下まで行っているようなので、治らないだろう」と言われましたが、そのあとまたメールがきて、そこには難しい名前の薬と治療法が書いあったんです。「これを試してみろ」と。用語がわからなかったのであとで調べようと思って調べたのですが、シモンチーニ氏に関する情報はなぜかウェブ上からことごとく消されていてわかりませんでした。

それで、がんは細胞内感染によるミトコンドリアの栄養障害で起きると言っている西原克成さんという日本の医師がこの本のなかに出てきたのでちょっとびっくりしました。彼の説が証明されているわけではありませんが、僕は本当かもしれないと思います。インターネットであらゆる情報を調べているうちに、ジョン・ホプキンス大学の医学論文で、水虫の薬を服用するとがんが縮小すると書いてあるものを見つけました。びっくりするような話でしょう。僕はビジネス的なアプローチもできるので自分の病気を使って、ととにかくありとあらゆることを調べたんです。

――西原医師の説を含め、この本にはさまざまな仮説が出てきますが、どれもまだ実証されたものではありません。

そうですね。どれもまだ仮説じゃないか、という意見もあるでしょう。でもこの本は出さないリスクのほうが高いと思います。実際にがんになった人にとってみればこの本は福音です。がんと言われてどうしていいかわからない人は、お医者さんに言われた治療をすぐに始めてしまう。代替医療に手を出そうものなら「お願いだからお医者さんの言うことを聞いて」と家族に言われ、なんか違うなと思って自分で治療法を決めて治った人も、お医者さんから「間違った希望を与えることになるからあなたが治ったことは人に話さないように」と言われるわけですよ。

――なぜご自身ががんになられたと思いますか。

それはわかりません。メラノーマは何が原因かは医学的にもわかっていないんです。でも、根本的には体の循環が悪くなり、栄養が行き届かなくなった結果、身体のいちばん弱いところががん化するという説を僕は信じています。以前指を挟んでそのあとがずっと治らなかったところがどんどん黒くなっていって、加齢のせいかなと思って放っておいたらがんになっていた。だからがんを切っても、その根本原因がなおらなければまたできます。

僕の場合はがんになる10年以上前から肩に慢性的な痛みがあったので、まずその原因を突き止めました。問題は噛み合わせでした。それを治して骨格矯正をしたら、肩こりがなくなりました。身体の循環をよくするために、体温を上げたり姿勢を整えたりすることに努めました。それが根本的に免疫力を上げてくれる。食生活も変えました。実は今年も少し体調を崩して医者にいったところ、6つの病名を言われて100%手術と言われたのですが、食事療法で治しました。