力と力でせめぎ合う戦国時代。黒田官兵衛は並外れた智謀で世を動かした。彼の知略、奇策、説得術から現代のビジネスマンは何を学ぶべきか。官兵衛通の、東京電力取締役会長 數土文夫氏、企業再生請負人 冨山和彦氏、京都造形芸術大学教授 松平定知氏が語る。

並外れた知略を磨くための勉強法

写真左から:京都造形芸術大学教授 松平定知氏、東京電力取締役会長 數土文夫氏、企業再生請負人 冨山和彦氏

【松平】竹中半兵衛と黒田官兵衛は、ともに相手のことを認め合っていました。官兵衛が荒木村重を訪れ、音信不通になったとき、信長は官兵衛が裏切ったと決めつけ、官兵衛の息子、松寿丸を殺せと命じたにもかかわらず、半兵衛はその命令に背いて匿った。官兵衛は裏切るような男ではないと信じていたからです。

そんな2人の関係ですが、しかし軍師としては2人は全然違うタイプです。先ほど數土さんは、官兵衛は諸葛亮孔明に似ていると言われましたが、私はどちらかというと、自分の策がうまくいくかどうかということだけに美学を感じている芸術家肌の半兵衛が孔明だと思うのですが。