主な回答者は「収入や貯蓄が多い人」

総務省はこの調査対象をどのように選んだのだろうか? 

サイトには色々な解説が載っているが、意味がわからない。そこで友人や知人に訊いてみた。「あなたは総務省の家計調査に協力してアンケートに答えたことがあるか?」と。すると、誰もがNOだと答えた。中には「国勢調査なら答えたけど、家計調査なんて聞いたこともない」という返事さえあった。

家計調査というものは、そもそも何を調べるのだろうか?

調査票はネットで「家計調査 調査票」と検索すればその情報が出てきた。その内容は膨大な質問の山だった。

「電気料金は? 都市ガス料金は? プロパンガス料金は? 現金の収入は? 収入の種類は? 現金の支出は? 支出の品目は? クレジットカードによる買い物は?」

まあ、微に入り細に入る内容で、書き込もうと思ったら、よほどの時間を覚悟する必要がある。

ここで素朴な疑問が沸く。こんな調査票が送られてきても、協力する人がどれだけいるだろうか?

多くの人は面倒臭がることだろう。プライバシーの侵害だという不満も出かねない。筆者が推測するに、この調査に協力する人は収入や貯蓄に自信のある人が中心になってしまうのではなかろうか。また、収入に自信のない人は辞退してしまうことが多いのではないか。

統計学上は6363件というサンプル数でも調査が成立するということだろうが、一般人の感覚からするときっとピンとこないに違いない。少なくとも、調査内容がこうした“仕組み”であることに大多数の人は驚くだろう。