ビズリーチ 豊田直紀
1984年生まれ。慶應義塾大学卒業後、楽天を経て2013年、ビズリーチ入社。現在、人事部マネジャー。

いま、人事部で中途採用の責任者をしています。特にダイレクト・リクルーティングに力を入れていて、「採用」というよりは当社が大切にしている「仲間探し」を仕事にしているという感覚がありますね。中学生や高校生の頃、私は野球部にいたのですが、もしサードが一人足りなくなったら、自分の足で教室を回って野球をやっていた奴やスポーツをやっていた奴を探したはず。それと同じです。

求人広告や人材紹介を利用した従来の採用手法も一部利用していますが、全従業員の約6割はダイレクト・リクルーティングで入社しています。日々、当社のサービスに登録されている方のプロフィールを見て直接連絡をしたり、リンクトインやフェイスブック、ブログなどを通じて「これは」と思う人にコンタクトしたりしています。すぐに転職という話にならなくても、長期的な視野で緩やかにでもつながっておけば、キャリアの転換期や心境が変化した時に連絡をくれるかもしれない。大学の講義で「弱い紐帯の強み」という言葉を習いましたが、まさに常に緩やかな人的ネットワークをたくさんつくっておくことが大切ですね。

それからうちは社員紹介経由での入社が非常に多いんですよ。いまは300人以上の従業員がいますが、その6割くらいが誰かしらの知り合いで、そこがこの会社の特徴的なところだと思いますね。なので、社内で「誰かいい人はいないですか」と声をかけることも重要な仕事の一つです。

スタッフの友達というのは、会社にとってとても大切な存在なんです。結局、その人がある一つの会社で働こうと思うかどうかは、組織や集合体に何かしらの面白さや共感できるポイントがあるからですよね。一方で会社も採用の際に相手のスキルや技術、経験を踏まえながら、面接を通じて価値観がどれだけ近いかを見ていくわけです。

社員の知り合いであれば事前に「この人だったらうちの会社に合いそうだな」とわかるので、良さそうな人がいたら毎月開催しているピザパーティに誘って、雰囲気を知ってもらったり。その意味ではあのパーティは社員の交流のためだけではなく、採用活動の一つの受け皿でもあるんですよ。

とにかく会社と人との価値観がかみ合ったときに採用は決まるのだから、候補者を紹介してもらう従来の“待ちスタイル”で採用活動していくのはどうなんだろう、というのがビズリーチのうちの事業の一つのテーマなわけです。企業というものはもっともっと採用を主体的に能動的に取り組んでいけるんだ、と。