GAPもレインボーロゴを作成してサポート
「これまでに東京や大阪、札幌などでLGBTのパレードが開催されてきました。欧米の企業が主にそのサポートを表明し、今年(4月末~5月上旬)の東京レインボーウィークでは、初めてGAPも支援参加。オリジナルのレインボーロゴまで作って応援してくれました(このロゴを今後、全世界で展開予定)。
そして特筆に値するのが、国内企業としていち早く協賛してくれたソフトバンクです。これは本当に画期的でした。しかも、セクシュアル・マイノリティの理解を広げる2010年のイベントで、ソフトバンクはLGBTに関する情報提供や相談窓口としてのホットライン用電話番号のインフラを提供してくれました。我々当事者としては、日本の大企業がこうしてバックアップしてくださることがすごく嬉しかったのですが、その後"家族割"の話も広がり、LGBTの間では『CSR的な活動と実業領域、両面でサポートしてくれる、我々に寄り添った企業』として人気が不動のものになりました」
ウエディング業界では、2013年に東京ディズニーシーがレズビアンカップルの結婚式をサポートし話題になった。また、結果的にLGBTの支持を得た商品もある。大手国内下着メーカー・ワコールが打ち出した、胸を小さく見せるブラジャーがそれだ。ウェブ限定で売り出すとすぐさま完売。蓋を開けてみると、購買者は身体が女性で心は男性というトランスジェンダー(FTM:Female to Male)が多かったという。
「企業としてはもともとそうした狙いはなかったのが、結果としてそうなった。FTMの方にとって、女性性を象徴する胸のふくらみを失くすことは切迫したニーズで、見事に合致したわけです。LGBTにフレンドリーな商品だと全面に出さなくても、マーケットが動く可能性があることを示す良い事例のひとつかもしれません」(松中氏)
いずれにしろ、今後さまざまな業界でLGBTを視野に入れた商品開発が進んでいくのは確実だ。