大量採用の40代バブル入社組。就職氷河期で少数精鋭の30代。20代のゆとり君……。組織内の立ち位置はどうなっているのか?
新人のゆとり世代とともに多くの企業を悩ませているのが、40代の大半を占めている“バブル世代”の今後の処遇である。
バブル期には企業が軒並み大量採用に踏み切った。ところが、バブル世代が入社してまもなく、91年にバブルが弾け、経済停滞期である“失われた20年”に突入。業容縮小を余儀なくされる企業が続出し、管理職ポストが激減、部下や後輩がいない時期が続いた。また、横並びの年功序列制度も崩壊して久しい。入社以来、社内の“勝ち組”と“負け組”との格差は広がるばかりだ。そして、50代入りを目の前に控えたバブル世代はいま、マネジャーに昇進できた一握りのエリート集団と、プレーヤー止まりのその他大勢とに二極化している。
そのうち前者に当たる、いまの40代でラインに残ることができた管理職は、おおむね評価が高い。下の世代から尊敬されている上司も多い。
前出の住宅設備メーカーで営業課長を務める竹内さんは営業手腕を買われて4年前、親会社に管理職として逆出向し、十数名の部下を抱えている。それだけ会社から評価されている実力者というわけである。
「現場を回りながら工夫を重ねて、自分なりの営業スタイルを編み出してきました。たとえば、自分たちの直接の取引先は販売代理店なのですが、エンドユーザーを自分で開拓して、自分の担当の販売代理店に紹介するといったやり方です。そうやって営業成績を伸ばしてきたのです」
政府系金融機関の職員である20代の江本さんは、上司である40代半ばの課長を自分の目標にしている。
「一を聞けば十がわかるような切れ者で、仕事をバリバリ進めるタイプです。ちょっと強引かなと思うときもありますが、信念や理念を持っているので納得がいきます。説明が理路整然としていて、指示も明確。自分の考えをまとめて相談すると、きちんと聞いてアドバイスをくれるので助かります」
同年代でメガバンク勤務の桜井さんは「いまの上司である40代の副部長はフットワークがよく、直接自分の成績にはならないのに取引先に同行したり、営業に動いてくれたりするので大助かりです」という。