さらに彼女たちが口を揃えて「感じが悪い」と訴えるのが、「ケチなふるまい」。ある女性は次のようなエピソードを教えてくれた。
「あるプロジェクトが無事に終わった打ち上げをやろうと、リーダーがメンバー全員を焼き肉に誘ったんです。そうしたらその人が『先に野菜を頼もうよ。肉はそのあと』と言い出して、野菜を食べ終わるまで肉を注文できなかったんですよ」
先に野菜で満腹にさせてしまえば安くすむという作戦だったのだ。そればかりか、「オレ一人がおごるんじゃアレだから」と、全員割り勘に。そのリーダーは50代で、役職にもついている高給取り。メンバーには新入社員もいたのに一律3000円を徴収された。あまりのことに、この事件は社内で「レジェンド」と呼ばれているという。おごるつもりがないなら、あらかじめ会費制であることを告げ、そのうえで参加者を募るようにしておけば、こんな悲劇は防げたかもしれない。
「領空侵犯」で机をバシバシ叩かれた……
またある会社では出張のお土産を買ってくるのが慣例だが、一人だけ絶対に買ってこないことで有名な40代の男性がいた。そんな彼が珍しくお菓子の詰め合わせを持ってきたと思ったら、奥さんの実家のコンビニで賞味期限切れになったものと判明。「そこまで会社の人たちのためにお金を使いたくないのか」と一同唖然としたという。何も菓子がほしいわけではない。会社というある種の運命共同体において、自分の利益を最優先する姿勢に女子社員たちは鼻白むのだ。
「自己中心的」「自分のことしか考えていない」という点では、こんなエピソードも。隣の席の男性が一続きの机を指差して、「この線からこっちは僕のエリアだから」と「国境線」を主張。あるとき定規で机をバシバシ叩いて、「そこ、はみ出してるよ」と言うので見てみれば、空中に書類のカドが飛び出た「領空侵犯」だったという。