自分自身で手続きするのが原則。
代理人指定がなくても諦めてはいけない!

誰もが“イザというとき”のために保険に加入している。イザというときだからこそ、スムーズに保険金を受け取りたいが、そのためにはいくつかのポイントがあるので知っておきたい。

生命保険・医療保険の保険金請求時チャート

生命保険・医療保険の保険金請求時チャート

まず大きな流れ。保険会社や契約によって細かい請求の流れや手続き、必要書類などはやや異なるが、たいていは契約者から保険会社へ報告をしてから書類の取り寄せ、提出、保険会社の書類チェック、保険金支払いという流れとなる。

ただし、以下の方は請求漏れにご注意を。まず「一人暮らし」の人。いうまでもなく、死亡保険金を自分で請求することはできない。そうでなくても生命保険証券を勤務先で保管しているとか、実家の親が管理しているといったケースもあるだろう。その場合は、死亡保険金の受取人となっている家族や親族に保険証券のコピーなどを渡し、契約内容の説明をしておくといい。

それから多種多様の特約がついた生命保険の契約をしている人。契約内容がわかりにくく、実際に請求漏れが多発しているので要注意だ。

なお保険金請求権には、商法により時効が定められていることも知っておこう。原則として民間生命保険会社が取り扱う「生命保険」「医療保険」は事故が起きた日から3年経過、かんぽ生命(旧かんぽも同様)は5年経過すると時効にかかる。

一方、死亡保険金と違い、入院給付金や高度障害保険金の受取人は被保険者本人となっている。ところが病気やけがで昏睡状態や寝たきり、余命6カ月以内あるいはがん不告知といった状況では、本人が請求するのは困難だ。こうした特別な事情で本人が保険金請求できないとき、予め指定された代理人が代わって請求できる制度がある。これは「指定代理請求制度」というもので、多くの生保会社などで設けられている。

指定代理請求人に指定できるのは被保険者と同居・同一生計の一定の親族などだが、保険会社により若干異なる。指定してあれば、スムーズに代理人が請求できる。契約時に指定していない恐れがある人は、保険証券を確認し、していなければ速やかに手続きをしておこう。契約の途中でも、代理人指定ができるケースもあるので問い合わせよう。

ただ、指定していないからといって、親族が保険金を一切、受け取れないわけではない。ほとんどの生保会社では、本人に代わって一定の親族が請求できるしくみがある。約款などに明確に取り決めの記載がなくても内規として運用している場合もあるから、諦めないことだ。