インターネットという新しい文明のあり方が、総合的な知を求めていることはもはや議論するまでもないこと。なのに、日本の大学は、とかく専門の中での「縦割り」になりがちである。
日本の大学にイギリスの大学の「カレッジ」やハーバード大学の「ハウス」のような横断的な組織をつくるのは難しいかもしれないが、それならば自分たちで勝手にやってしまったらどうだろう。
最近、日本でも、学生団体の活動が盛んである。たくさんの学生が私に会いにくる。彼らは、一様に「つながりたいんです」と言う。縦割りで蛸壺化してきた日本の大学組織を、学生たちが自主的に破って総合的な知を身につけようという、素晴らしい動きだと思う。
総合性は、人間関係の中にある。そして、どんな問題にも解決がある。日本の大学にカレッジやハウスがないのなら、自分たちでつくってしまえばいい。インターネットがそれを可能にした。
(若杉憲司=撮影 PANA=写真)