ここで求められるのは、150点を200点にしようとする人だ。
他の項目を少し改善するなんて、意味がない。その程度のことができる人は、世の中にごまんといるのだから。
あなたは、あなたにしかできないことを磨くほうが賢明だ。
私の場合、出世目的で社内の人付き合いを増やしたり、話術を磨いてセミナーをもっと盛り上げたり、ということにはエネルギーを注がなかった。
そこは私が勝負するところではない、と思っていたからだ。
その代わり、クライアントの業績を上げるための企画はひたすら考えた。
同じ業態、同じ規模の会社であっても、同じ提案は絶対しなかった。しかも、業績を上げるといっても、昨対比120%などというものではなく、200%、300%になるような、思い切ったやり方はないか考え続けた。
そのおかげで、不況にもかかわらずクライアントは飛躍的に成長し、社長から「まるで魔法のようだ、これは『イソズミ・マジック』だ」とまで言っていただいた。
私が自分の苦手なところを克服するのに時間を使っていたら、成し得なかったことだろう。
常軌を逸するくらい、自分の強みを尖らせる。それが、才能を開花させることにつながるのだと思う。
※本連載は『おれが浮いてるわけがない。』(五十棲剛史 著)からの抜粋です。