飲み方にも順番がある

最後に、水分の取り方そのものについても触れておきます。

まず、水分が胃や腸から吸収され、血液に届くまでにはおよそ1時間かかります。350ミリリットルのペットボトルを一気に飲み干しても、そのすべてが吸収されるまでには1時間かかるということです。「のどが渇いたからペットボトルを1本一気に飲めば十分」と思っていると、実際の補給が大幅に遅れてしまいます。

一度に大量に飲むより、こまめに少量ずつ飲み続けることが重要です。のどが渇く前に、定期的に水分を口にする習慣をつけること。これが、脱水の予防には何より効果的です。

加藤和則『血管細胞を強くすれば熱中症は予防できる 熱中症やヒートショックに強い身体に変える3つの成分』(プレジデント社)
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温度にも工夫の余地があります。冷やしすぎた水よりも、やや常温に近い水のほうが吸収はよくなります。薬を白湯で飲むことが推奨されているのと同じ理由で、冷えすぎると腸の細胞の活動が抑えられ、吸収が遅くなってしまうためです。

「暑ければお茶をがぶがぶ飲めばよい」という考え方も、あまりおすすめできません。お茶には塩分が含まれていないため、大量に飲むと水を大量に飲んだ場合と同様に一時的に血液が薄まってしまい、結果的に脱水を悪化させてしまうことがあります。

呼吸を整え、食事に一工夫を加え、飲み方の順番を守る。派手さはありませんが、この積み重ねこそが「隠れ脱水」から身を守る、いちばん確かな方法なのです。