巨大な富を築き、それを永きにわたって継続していける真のお金持ちたち。成功するための仕事との向き合い方、意思決定や思考のパターン、代々続けていくための子供の教育とは、どのようなものなのだろうか。富裕層の専門家3人が、彼らの素顔を明かす。
【富裕層の定義】ここでは、船井総研の小林昇太郎氏が独自の方法で算出した5億~10億以上の金融資産を持つと推定できる3万4879人を「超富裕層」、1億~5億未満の金融資産を持つ166万1844人を「プチ富裕層」と定義する。同志社大学教授の橘木俊詔氏は「全国高額納税者番付」をもとに2000年度、01年度と2年連続で1億円以上稼いだ約6000人を対象に調査を実施。
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子供の授業料、4割が年間300万円超

超富裕層のなかでも伝統的な資産家は、地域の名門高校から国内のブランド大学へ進んだ人が多く、一方、一代で財を成した人は必ずしも高い学歴とは関係がない。だが、「次世代への教育に関しては共通した志向を持っている」と船井総研の小林氏は言う。

「子供を慶應幼稚舎などの私立小学校に入れるとか、定評のある塾に預けて東大入学を目指させるというケースが目立ちます。最近はそれに加えて、早い時点で海外へ留学させる、という選択をする方も増えています」(小林氏)

留学先でとくに人気があるのは、ロゼなどスイスの名門寄宿学校や、イートン、ハロウといった英国のパブリック・スクールだ。日本からの留学生が増えたため、最近ではスイス国内の寄宿学校11校が東京都内で合同説明会を開くようになっている。

11年時点で、たとえばロゼ校は61カ国から生徒を集め、うち日本人は23人が在籍していた。各校の年間の学費は400万~1000万円ほど。日本でいう小学校から高校までの課程があり、日本からの留学生は中学校からの入学者が多いという。