テレビより信じられる自分が選んだチャンネル

もう少し細かく見ていきましょう。図表3は、各チャンネル視聴者の各チャンネルの信頼度平均とテレビ信頼度平均を比較したものです。

全体として、意外にも各チャンネル視聴者は、全サンプルのテレビ信頼度よりも平均的に高いテレビ信頼度を有する傾向にあります。

しかしやはり多くのチャンネル視聴者において、テレビよりも自分が見ているYouTubeチャンネルを信頼している傾向にあります。

各棒グラフの上に「*」マークや「ns」という表記がありますが、これは統計的な検定の結果を示します。「**」または「***」は統計的に有意な差があったことを示し、「ns」は有意な差が観察されなかったことを示します。

チャンネル別に見てみると、一番差が大きいのが三橋TV、次に高橋洋一チャンネルとReHacQが続きます。個別のチャンネルの論評は控えますが、これらのチャンネルの視聴者は、それなりの程度(それでも差は小さいと評価されましたが)、テレビよりこれらのチャンネルを信頼しているということです。

欧米でも広がる「オルタナティブメディア」

海外の研究も紹介しておきましょう。先ほどから論じている政治経済・ビジネス系チャンネルの隆盛は日本だけの現象ではありません。欧米ではそうしたチャンネルを「オルタナティブメディア」と呼び、研究が始まっています。

スウェーデンで実施された調査では、既存メディア視聴の信頼形成とオルタナティブメディア視聴の関係が探求されています(*2)

調査の結果、既存メディア信頼→既存メディア利用の因果は一貫して確認された一方で、既存メディア利用→既存メディア信頼の因果は不安定でした。

また、既存メディア信頼→右派オルタナティブメディアの利用抑制の因果は不安定である一方で、右派オルタナティブメディア利用→既存メディア信頼の低下は一貫して観察されました。

また、オルタナ志向の人はニュース関心が高く、主流ニュースにも触れていますが、主流メディア信頼は低下していくようです(*3)

*2 Tsfati, Y., Vliegenthart, R., Strömbäck, J., & Lindgren, E(. 2025). An asymmetrical reinforcing spiral? Disentangling the longitudinal dynamics of media use and mainstream media trust. Journal of Communication, 75(1), 16-26.
*3 Andersen, K., Shehata, A., & Andersson, D(. 2023). Alternative news orientation and trust in mainstream media: A longitudinal audience perspective. Digital Journalism, 11(5), 833-852.