世界人口の約2割を占め、出生率も経済の伸びも著しいイスラム圏。東南アジアから、中東、アフリカまで広がる海外の巨大市場に加え、急増する観光客をターゲットに国内市場も動き出した。そんなイスラムビジネスの最前線をレポートする。

地方の活性化戦略になるか

12年末に日本ハラール協会でハラル認証を取得し、マレーシア、インドネシアなどに本格的に輸出を開始したのが、ひかり味噌(長野県)だ。味噌業界として初めてハラル認証を取得した。

「味噌は材料的に比較的ハラル認証が取りやすかった」と林善博社長。

同社社長の林善博氏は「味噌の原料は大豆、米、塩だけなので比較的取りやすかったということはあると思います。審査の際、ハラルとそれ以外の製造工程で、紛らわしくないように白衣を違う色に変えてほしいなど細かい指摘はありましたが、比較的順調に進んだほうだと思います」と語る。同社の海外売上比率は6%程度とまだ大きくはないが、米国での販売実績があり、国際化と多角化には業界に先駆けて取り組んできたという自負がある。