長引く不況の影響で、「地元・国立・安全」志向が一段と進んだ大学入試。東大合格は中高一貫伝統校の復活が鮮明になってきた。波乱模様の全国実力校の動向を探った。

開成30年連続トップ
「地元・国立・安全」志向へ

2011年の入試は、3年ぶりにセンター試験の平均点がアップすることから始まった。この結果、受験生は強気になり、人気の高い国公立大の志願者が3%増となった。一方、私立大は10年とほぼ同じ志願者数に落ち着いた。

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東大の20年ランキング[1991年]

最近の入試では、長引く不況の影響から、現役で大学に進学する傾向が強く、安全、確実に合格できる志望校選びが主流だ。そのため、難関上位大の志願者が減る傾向にある。受験料節約の点からも、かつてあった記念受験のような無謀な挑戦が減り、模試での合格可能性が高いところ中心の受験だ。さらに、自宅から通える大学を中心に受験する地元志向も顕著になってきた。ただ、2011年は強気になった受験生が、国公立大前期でチャレンジ、後期は手堅く受ける傾向が強くなった。東大は前期で志願者が10年より340人増の9779人と人気を集め、第1段階選抜不合格者は1000人を超えた。

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東大の20年ランキング[2001年]

一方、国公立大前期の合格発表がすべて終了した11年3月10日の翌11日に、東日本大震災が起きた。東北大など後期試験の実施を延期すると発表するなど混乱する中、東大は予定通り13日に後期試験を実施した。ただ、第1段階選抜に合格していた被災地出身の受験生13人に対しては、3月27日に追試験を実施。最終的に2人が合格している。

このように最後に大混乱となった2011年の入試だが、東大合格者ランキングにも異変が起きた。開成は30年連続でトップの座を守ったが、11年は今まで実績が下がり気味だった中高一貫伝統校の復活が目立った。東大合格者が10年に比べて大きく増えた高校を見ると、巣鴨が30(+14)人、開智が17(+13)人、久留米大附設36(+12)人、桐朋32(+11)人などだ。開智を除いてすべての高校が「東大の20年ランキング」の01年に登場している。巣鴨は日本最難関の理IIIに合格者が5人で全国4位。もともと医学部に強い一貫校として知られるが、11年は東大合格者も増えた。