同じA型やB型でも、遺伝子構成が異なる

この疑問を解く鍵は、「A遺伝子とB遺伝子は、O遺伝子に対して顕性(優性)である」という遺伝的関係にあります。メンデルのエンドウ豆実験におけるRとrの関係と同様に、「AO」や「BO」という組み合わせでは、O遺伝子の形質は表面に現れず(つまり、O型にはならず)、A型またはB型として表現されるのです。

O型になるためには、両方の対立遺伝子がOでなければなりません。つまり、「OO」という遺伝子構成が必要なのです。

これらの原理を整理すると、血液型を決定する対立遺伝子の組み合わせは次のようになります。

・A型になる組み合わせ…AA、またはAO
・B型になる組み合わせ…BB、またはBO
・AB型になる組み合わせ…AB
・O型になる組み合わせ…OO

この分類を見ると、同じA型やB型でも、遺伝子構成が異なる場合があることがわかりますね。

血液型の遺伝パターン

続いて、より具体的な例を通じ、血液型の遺伝パターンをくわしく見ていきましょう。

①両親がともにA型の場合

まず、両親の遺伝子構成がどちらも「AA」である場合を考えてみましょう。このケースでは、父親からも母親からもA遺伝子のみが子どもに伝わるため、すべての子どもの遺伝子構成は「AA」になります。結果として、どの子もA型になることは確実です。

次に、両親の一方が「AA」、もう一方が「AO」であったらどうでしょうか。この場合、子どもが受け継ぐ遺伝子構成は、「AA」または「AO」のいずれかになります。遺伝子構成には違いがあるものの、この両親から生まれる子は全員A型になります。

しかし、両親ともに遺伝子構成が「AO」であった場合、子どもの遺伝子構成は「AA」「AO」だけでなく、両親のO遺伝子が組み合わさった「OO」となる可能性もあります。つまり、A型の両親からO型の子どもが生まれる可能性があるのです。

健康な赤ちゃんを持つ幸せな家族
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです
②父親がA型、母親がB型の場合

次に、父親がA型(AO)、母親がB型(BO)である場合です。この組み合わせでは、子どもが受け継ぐ遺伝子構成として「AB」「AO」「BO」「OO」の4通りが考えられます。

つまりこの両親からは、理論的にすべての血液型(A型・B型・AB型・O型)の子どもが生まれる可能性があるのです。

このように、血液型の遺伝は「両親の表現型(実際に現れている血液型)」だけでは予測できず、「両親がもっている対立遺伝子の具体的な組み合わせ」によって決まることがおわかりいただけたでしょうか。