年末から年明けに、さらなる泥沼に陥った不動産・株式市場。つい先頃までわが世の春を謳歌していた投資家たちの悲鳴が聞こえる……。

「目の前で数字が綺麗に下がっていくのを見てびっくり」
主婦 小幡和江(仮名)●37歳。超大手メーカー勤務の夫と小学生2人。パートや家事の合間にデイトレを開始、2年間で700万円まで増やしたが、現在は200万円強まで目減りした。

「うーん、思い出したくもない銘柄だけど……」
出版社勤務 武井 聡(仮名)●49歳。年収1200万円。妻と小学生の子2人。学生時代から趣味で株投資を続ける。損失は最盛期から約800万円。ワンルームマンション投資も手がける。

「将来のテナント料を含めると、被害は10億近い」
不動産業者 滝上正文(仮名)●35歳。既婚。年商100億円の会社幹部。15億円のビル建設計画を進めていたが、リーマン・ショック直後に銀行融資を一方的に止められる。

「空き室率5割超だと、アパート経営は赤字」
自営業 大石憲司(仮名)●45歳。家業を継ぐ傍ら、関東某県の工場付近に派遣社員の入居を当て込んで7000万円でアパートを建てるも、工場の大量派遣切りが直撃、借金5000万円が残る。

リーマン・ショック直後、銀行から呼び出しが

【武井】株は学生時代から好きでやっていたけど、当時はそんなにお金があったわけじゃない。今回は僕もそこそこトシを取って、多少のお金があったから、ポジションをバブルのときよりもたくさん張っていて、ヘコミ方はでかい。これ、ネット証券の私の銘柄データをプリントアウトしてきました(と十数銘柄の並んだA4用紙をテーブルに置く)。

【小幡】(用紙を覗き込んで)電源開発、トヨタ、HOYA、新日鉄……。

【武井】これは今も持ってるやつ。一度、2004年に2000円台で買ったトヨタを8000円で手放すことができて大成功だったんだが、その儲けも消えちゃった。新興市場(ジャスダック、マザーズほか)の銘柄はほとんど全部売却した。ほんとバクチ場だよ、新興は。いい目を見た人はいないと思う。勝ち逃げしても、次に突っ込んでやられる。ほんとの勝ち逃げっていうのは次から手を出さないってことだけど、それは難しいねえ。